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my favorite things 436-440

 my favorite things 436(2025年3月18日)から440(2025年5月25日)までの分です。 【最新ページへ戻る】

 

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 436. 2025年早春(2025年3月18日)
 437. 2003年の『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE [2002]』(2025年3月26日)
 438. 2016年の『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 15』(2025年3月27日)
 439. 1975年の『V』(2025年4月23日)
 440. 1990年代の小川美潮のCDシングル(2025年5月25日)
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440. 1990年代の小川美潮のCDシングル(2025年5月25日)

1990-1994小川美潮シングルCD

 

3年ほど前、ネットフリックスのドラマ『ストレンジャー・シングス』に、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)の「Running Up That Hill」(1985年)が使われたことで、若い世代にケイト・ブッシュが若い世代に再発見されたという話がありました。

その流れなのか、キャロライン・ポラチェック(Caroline Polachek)というアメリカのミュージシャンが「Z世代のケイト・ブッシュ」と呼ばれていると知りました。ケイト・ブッシュもずっと好きなので、気になって調べてみたら、キャロライン・ポラチェック自身は「Gen Z's Kate Bush(Z世代のケイト・ブッシュ)」が褒め言葉として使われているとは分かっていても、そうした評価のしかたに食傷ぎみで、「this generation’s Caroline Polachek(この世代のキャロライン・ポラチェック)」でありたいと語っていました。
「○○世代のケイト・ブッシュ」みたいな言い方は、品のない浅はかな表現なのは確かで、ケイト・ブッシュは初めて登場したときからケイト・ブッシュでした。

そのキャロライン・ポラチェックは、尊敬する歌い手として小川美潮の名をあげていました。
意表をつかれました。

改めて、小川美潮は地球規模の「宝」だ、と思った次第。

1990年代前半に、小川美潮がEPIC/SONYでリリースしたCDシングルを引っ張り出してみました。


キャロライン・ポラチェックは、2019年のアメリカのファッション誌『V』のインタビュー記事、Erica Russell「Caroline Polachek's Magic Kingdom」(2019年10月21日)で、「もっとも尊敬するヴォーカリストはだれですか(Which vocalists do you admire most?)」という問いに、次のように答えていました。

One of my all-time favorite vocalists is Paddy McAloon, from the band Prefab Sprout. They were known in the UK in the eighties, but not so much so in the US. He’s my favorite lyricist. But what I really love is his sense of vulnerability and giving. He’s just so generous as a vocalist. He doesn’t have a virtuosically amazing voice, but he’s always giving. I also love this Japanese pop/jazz fusion singer from the ‘80sーshe's one of my biggest influences, actuallyーnamed Mishio Ogawa. I've really sought to imitate, in some ways, how she stretches her notes. It feels like liquid. Her songs are on another level.

【試訳】私の永遠のお気に入りのヴォーカリストは、「プレファブ・スプラウト」のパディ・マクアルーンです。彼らは80年代にイギリスでは有名でしたが、アメリカではそれほど知られていません。彼は私のお気に入りの詞を書く人です。でも、私が本当に好きなのは、彼のもろさと惜しみなく与える感覚です。ボーカリストとして、彼は本当にやさしいんです。彼は技巧的に素晴らしい声を持っているわけではありませんが、常に惜しみなく与えてくれるのです。それから、80年代の日本のポップス/ジャズ・フュージョン・シンガー、小川美潮も大好きです。実は、彼女は私に最も大きな影響を与えた一人なんです。彼女の声の伸ばし方を、ある意味で真似しようとしてきました。まるで流体のようなんです。彼女の歌は別次元です。

 

パディ・マクアルーンと小川美潮を推しているということだけでも、キャロライン・ポラチェックのことを好きになってしまいました。


写真のように、小川美潮は、EPIC/SONYから7枚のCDシングルが出しています。

小川美潮『おかしな午後/デンキ』(1990)
 『つぐみ TUGUMI』主題歌

小川美潮『Four to Three/天国と地獄』(1991)

小川美潮『走れ自転車/Happy Circle』(1991)
 『老人Z』主題歌/オープニング・テーマ

小川美潮『ウレシイの素/遠い夏』(1992)
 『さんまのまんま』デーマ・ソング

小川美潮『ふたつのドア/BLUE』(1993)

小川美潮『檸檬の月/DEAR MR. OPTIMIST』(1993)
 『トランタン白書』エンディング・テーマ

小川美潮『言えない I love you/Four to Three [remix]/言えない I love you [backing track]』(1994)
 ホームメイド協会CMソング

 

振り返ってみると、タイアップ曲の多さに、当時のレーベルの期待がうかがえます。

『4to3』(1991年)、『 ウレシイノモト』(1992年)、『檸檬の月』(1993年)の3枚のCDアルバムは、よくこのレベルの作品が残せたなと思います。

 

     

手もとにあるアナログのシングル盤も並べてみます。

 

小川美潮『これからのむこう/へんなかさ』(1985年、vap)
『世界食べちゃうぞ!』イメージ・ソング

1985小川美潮これからのむこうジャケ

1985小川美潮これからのむこうラベルA

1985小川美潮これからのむこうラベルB

手もとにあるのは、見本盤です。

 

小川美潮『おかしな午後/窓』(2020年、Sony Music Direct)

2020小川美潮_おかしな午後ジャケ

2020小川美潮_おかしな午後ラベルA

2020小川美潮_おかしな午後ラベルAA

このシングルが出たとき、アルバム『4to3』のアナログ盤もでないかと期待したのですが…。

 

板倉文&小川美潮「Stardust」/小川美潮「You Need Me」(2020年、galabox disx)

小川美潮_Stardustジャケ

小川美潮_StardustラベルA

小川美潮_StardustラベルB

 

板倉文&小川美潮「転がる水」/小川美潮&Ma*To「A Go-Go」(2023年、galabox disx)

2023小川美潮_転がる水ジャケ

2023小川美潮_転がる水ラベルA

2023小川美潮_転がる水ラベルB

 

     

小川美潮関連のCDのなかで、なかなか手に入らないのが、Aisan Fantasy Orchestra『Asian Tour 1995』(1997年、国際交流基金)です。
小川美潮ヴォーカル曲では「Now It's Open」(作詞:小川美潮/作曲・編曲:久米大作)が収録されています。

1995年のアジア・ツアーでは、「恋」(作詞:工藤順子/作曲:小川美潮/編曲:久米大作)や「言えない I Love You」(作詞:小川美潮/作曲:小川美潮・大川俊司/編曲:久米大作)も演奏されていて、ライブの全貌を知ることができる音源がでてこないかと、30年間期待し続けています。

88ページのCDブックとして刊行された、Aisan Fantasy Orchestra『Asian Tour 1995』も再発してほしいのです。
手に入りにくいCDブックですが、国際交流基金が全国の県立図書館に寄贈したようなので、図書館で借りることはできます。

 

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439. 1975年の『V』(2025年4月23日)

 

1975Virgin_V表ジャケ

 

前回取り上げた『Rough Trade Shops Counter Culture』を2002年から順に流していて、いろんなスタッフの推薦曲が集まって、愉しいアンソロジーなのは間違いないのですが、1980年前後のRough Tradeのオルタナの発信源みたいな存在感がひとつの型を作ってしまって、2002年も2023年もその延長線にある印象も否めません。

ついつい終末論を口にしてしまうような10代だったら「歴史の終焉」とかいいだして、 1980年前後のRough Tradeが持っていたような勢いはすでになく再利用再生産を繰り返すばかりで、オルタナなものをもう生みだせずこの反復が繰り返されるのではないかとか言い出しそうです。
そして、1984年だとか1995年だとかに、すでに終わっていたのだと言ってしまいそうです。

『Rough Trade Shops Counter Culture』の年ごとに違いを聴き分けられる繊細な耳を持てなくなったのかなあと悲観もします。

 

もはや老人の昔話になってしまいますが、1970年代の各年のちがいなら、スゴく分かりやすいのです。

たとえば、Virginレーベルの1975年のサンプル盤2枚組『V』と1978年のサンプル盤2枚組『DEAD ON ARRIVAL』を聴き比べてみると、明白な違いがあります。

「歴史の終焉」後のサンプラーみたいに思えてしまう『Rough Trade Shops Counter Culture』とは違って、何かが起こっている現場がサンプルされている感じがあります。

 

1975Virgin_V裏ジャケ

Concept and Design by Trevor Key
ジャケットデザインは、マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』同様トレヴァー・キイ。
指の数が何を意味するのか不明。

裏ジャケットの「So What!(だから何!)」とあるのも、何に対してだかは分かりませんが、強気です。

 

1975Virgin_Vステッカー

ジャケットに「2.94」のステッカーの貼られているものもあって、 LP2枚で1枚分の値段の廉価盤であることも売りにしていたようです。

1975Virgin_V内袋

ヴァージン初期の赤い内袋。

 

1975Virgin_V_Side One

SIDE ONE
Robert Wyatt – Yesterday Man
Mike Oldfield – Don Alfonso
Ivor Cutler – Go And Sit Upon The Grass
Tangerine Dream – Overture

ベスト盤的な選曲ではなく、落ち穂拾い的な選曲。レーベル最大のヒット盤『チューブラーベルズ』からは選ばれていません。
選曲は、Simon Draper。

 

1975Virgin_V_Side Two

SIDE TWO
Kevin Coyne – Marjory Razorblade
Kevin Coyne – Looking For The River
Captain Beefheart And The Magic Band – Mirror Man
Captain Beefheart And The Magic Band – Upon The My-O-My

 

1975Virgin_V_Side Three

SIDE THREE
Slapp Happy – Extract From The Messiah
Henry Cow – A Worm Is At Work
Tom Newman – Sad Sing
Tom Newman – Super Man
Chili Charles – Semba
Jabula –  Baile (They Are Gone)

 

1975Virgin_V_Side Four

SIDE FOUR
Clear Light Symphony – Extract From Part 1
Hatfield And The North – Your Majesty Is Like A Cream Donut, Incorporating Oh What A Lonely Lifetime
White Noise II –  White Noise II [Extract]
Steve Hillage – Pentagramaspinn

Hatfield And The Northの別ヴァージョンはうれしかったです。

 

     

1975年の『V』と1978年の『DEAD ON ARRIVAL』には、大きな違いがあります。

1978年の『DEAD ON ARRIVAL』には、1975年の『V』では影も形もなかったパンクとレゲエが半分を占めているのです。

SIDE ONEがパンク、SIDE TWOがプログレ、SIDE THREEがレゲエ、SIDE FOURが雑多となっています。

今まで存在しなかったものが半分を占める変わりようです。

2000年以降はヴォーカロイドの出現、AIの登場などで語られるのでしょうか。

 

細かく言えば、「レゲエ(「reggae」)」ということばは1975年には一般化していて、1975年の『V』にその色がなかったということです。

1974年5月『SOUNDS』誌に掲載された、ヴァージン・レーベルのリチャード・ブランソンとサイモン・ドレイパーについての記事、Steve Peacock「Tale of Two Virgins」のなかに、「Mike Oldfield recorded a reggae versin of “Froggie Goes A-Courting”[sic] as a single, but they wouldn't release it.」という記述があって、「reggae」はすでに音楽誌では当たり前のことばになっています。

1974年にリリースされたシングル「Mike Oldfield's Single (Theme From Tubular Bells)」のB面に「Froggy Went A Courting」は収録されています。ジャマイカのレゲエからは遠いですが。

振り返ってみれば、1975年の鹿児島のわたしは、「レゲエ」の「レ」も知りませんでした。
どのタイミングで知ったのでしょう。
1979年のボブ・マーレー来日のときには、さすがに知っていました。
渋谷陽一のラジオ番組で、たくさんはかからないけど、すごい音楽と評価されたことで知ったような気がします。


1978Virgin_DeadOnArrival表ジャケ

1978Virgin_DeadOnArrival裏ジャケ

Sleeveデザインは、ジョージ・オーウェルの豚を連想させてヒプノシスっぽいですが、Cooke Key。
Cooke Keyは、Brian Cooke と Trevor Key のコンビ。
レコード・ラベルのロジャー・ディーンから緑赤ラベルへの変更もCooke Keyです。

ヒプノシスのメンバーだったピーター・クリストファーソンは、スロッビング・グリッスルのメンバーで、同じ1978年に『D.o.A.』(DEAD ON ARRIVAL)というアルバムも出していました。
「DEAD ON ARRIVAL」は、救急車で搬送されたものの病院に到着したときには死亡していたことをいいます。
そういう気分の時代だったということでしょうか。

 

1978Virgin_DeadOnArrival_Side One

SIDE ONE
The Motors – Dancing The Night Away
X Ray Spex – Oh Bondage
XTC – Radios In Motion
Penetration – Firing Squad
Wilko Johnson's Solid Senders – Walking On The Edge

黒のヴァイナルではなく、蛍光色の盤で暗闇で光ります。堅めの盤ですが、音はとても良いです。

 

1978Virgin_DeadOnArrival_Side Two

SIDE TWO
Captain Beefheart – New Electric Ride
Steve Hillage – Hurdy Gurdy Men
Can – Full Moon On The Highway
Peter Baumann – Bicentennial Present
Ashra –  77 Slightly Delayed

 

1978Virgin_DeadOnArrival_Side Three

SIDE THREE
U-Roy – Babylon Burning
Johnny Clarke –   Let's Give Jah Jah Praise
The Mighty Diamonds – Them Never Love Poor Marcus
I-Roy – Satta
Delroy Washington – Freedom Fighters
U-Roy – Fire In A Trenchtown

 

1978Virgin_DeadOnArrival_Side Four

SIDE FOUR
Roogalator – Love And The Single Girl
Link Wray – I'm So Glad I'm So Proud
Slapp Happy – Casablanca Moon
Elkie Brooks – Women's Lib Song
Mallard – Desperados Waiting For A Train
Kevin Coyne – Good Boy
Derek And Clive – Members Only

 

1975年の『V』と1978年『DEAD ON ARRIVAL』で共通するミュージシャンは、 Captain Beefheart、Steve Hillage、Kevin Coyne、そして、Slapp Happy。

Slapp Happyが両方に選曲されているのが、ちょっと意外です。

『V』は、「EXTRACT FROM THE MESSIAH」(1975)
『DEAD ON ARRIVAL』は、「Casablanca Moon」(1974)

1978年に「Casablanca Moon」を選ぶ理由が何かあったのでしょうか。

 

     

2025年サクラとクス01

2025年サクラとクス02

サクラとクス

2025年ツバメ

パートナーが巣作り作業しているあいだ、下で材料を口にくわえて順番待ちをしているツバメがいました。

 

〉〉〉今日の音楽〈〈〈

 

「カサブランカ・ムーン」は、戸川純のカヴァーもありますが、日本語詞だと加藤登紀子が歌っています。
1986年のアルバム『エスニック・ダンス(Ethnic Dance)』(ポリドールレコード)のA面4曲目。

手もとにあるのは、中古で買った見本盤。
見本盤は使用感のないものが多く、初期プレスなので、いい音で聴けます。

 

1986加藤登紀子_エスニック・ダンス表ジャケ

 

1986加藤登紀子_エスニック・ダンスSide1

1986加藤登紀子_エスニック・ダンスSide2

 

1986加藤登紀子_エスニック・ダンス_カサブランカムーン01

「Blegvad」が「Blegrad」になっているのはご愛敬。

スラップハッピーのダグマー・クラウゼも加藤登紀子もブレヒト・ソングの歌い手というところが、共通するところでしょうか。

 

1986加藤登紀子_エスニック・ダンス_カサブランカムーン訳詩

 

ブレグヴァドの歌詞の「アクナルベイザック・ヌーム(Acnalbasac Noom)」な部分が抜け落ちた日本語訳詞になっています。

日本語カヴァーで「百万本のバラ」のようにヒットすればよかったのですが。

 

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438. 2017年の『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 2016』(2025年3月27日)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 2016

 

前回に引き続いて、『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE』のジャケットを並べてみます。

『COUNTER CULTURE 2016』から、プラステッィクのケースから紙ジャケに変わります。

 

ROUGH TRADE COUNTER CULTURE 2016(2017年、Rough Trade)

2CD、37曲
Tracks, as always, lovingly selected by the shop floor staff.
Product managed by John Webb
Special thanks to Simon Russell for all his hard work over the years.(2002年から制作の中心だったサイモン・ラッセルへの謝辞)
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Sophie, Delia, Liv, Chris, Amy, Lawrence, Nigel, Stan, Nick, Remi, Jof, Sean, John)のコメント。

 

『ROUGH TRADE 40thAnniversary 1976-2016』(2016年、Rough Trade)

ROUGH TRADE 40thAnniversary 1976-2016

たくさんの熱心な支持者の寄稿にあふれた創立40周年記念誌。
2016部刊行。
目次がないので、だれがどこに書いているのか分かりにくいです。

ブライアン・イーノが、ショップの顔ナイジェル・ハウスへの頌詩を、グリーン・ガートサイドがショップのトイレのイラストを寄稿しています。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 17(2017年、Rough Trade)

RoughTradeCounterCulture17

2CD、38曲
Product managed by John Webb
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Tom, George, Delia, Nigel, Stan, Ben, Sean, Gaz, Emeline, Chris, Jof, John, Ed)のコメント。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 18(2018年、Rough Trade)

RoughTradeCounterCulture18

2CD、45曲
Product managed by ROUGH TRADE
各曲のコメントに記名なし。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 19(2019年、Rough Trade)

RoughTradeCounterCulture19

2CD、41曲
Product managed by ROUGH TRADE
各曲に選曲したショップ・スタッフ(NIGEL, AL, BEN, ELIOT, PADDY, PAUL B, WILL B, EMILY, JOF, TOM M, BELLA, WENDY, ROB, NICK, OSCAR, ALEX, SOPHIE, MARIE&ADRIAN, MARIE, HELEN, LOCKS)のコメント。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 20(2020年、Rough Trade)

RoughTradeCounterCulture20

2CD、36曲
Product managed by ROUGH TRADE
ALL SLEEVENOTES WRITTEN BY AL, EMILY, WENDY AND NIGEL.


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 21(2021年、Rough Trade)


RoughTradeCounterCulture21

2CD、40曲
Product managed by ROUGH TRADE
ALL SLEEVENOTES WRITTEN BY AL, EMILY, NIGEL, NOAH, OLIVIA, DAVID, ALEX, SAM, HELEN, GIO, SOPHIE, TILAH AND ADRIAN.

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 22(2022年、Rough Trade)


RoughTradeCounterCulture22

1CD、20曲
Product managed by ROUGH TRADE
各曲のコメントに記名なし。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 23(2023年、Rough Trade)


RoughTradeCounterCulture23

2CD、35曲
Compiled by: Rough Trade Shops
各曲のコメントに記名なし。

シリーズ全体を通して感じたのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響力の強さでした。

2002年版と2023年版を聴きくらべてみても、通底するというか、「オルタナ」の金太郎飴感みたいなものがあって、それはなじんた者にとっては心地よいものですが、ムーヴメントとしての役割は終わっていたのかもしれません。

それでも、『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE』が終わるのは、時代の終わりを感じます。


〉〉〉今日の音楽〈〈〈

 

2003_25

ラフ・トレード・ショップのほうでなく、1978年に創業したRough Tradeレーベルの25周年で出たCD『25』(2003年、MUTE RECORDS)
Rough Trade レーベルを代表する曲を、2003年当時のrough tradeレーベルのミュージシャンがカヴァー。

Young Marble Giants の「Final Day」を Belle & Sebastian が、Robert Wyatt の「At Last I Am Free」を Elizabeth Fraser が、Scritti Polittiの「Lions After Slumber」をThe Veilsがカヴァーしています。

初期ラフ・トレードの顔だったザ・スミス(The Smiths)のカヴァーは、残念ながら、ありません。

 

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437. 2003年の『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE [2002]』(2025年3月26日)

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE [2002]

 

どうやら2002年版から続いてきた、ラフ・トレード・ショップでよくかかった曲を集めたアンソロジーCD『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE』は、2023年版をもって終了したようです。

備忘録として、CDのジャケットだけでも並べておきます。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE [2002](2003年、MUTE RECORDS)

2CD、41曲
Compiled by Simon Russell with the help of Billy Campbell, Sean Forbes and Jamie Tugwell

選曲・編集の中心は、サイモン・ラッセル(Simon Russell)

当時再発見されていたLangley Schools Music Project「To Know Him Is To Love Him」(2001年、Bar/None Records )も収録されています。1976年と1977年のカナダの小学校の録音をCD化したもの。

このコンピ盤に、日本のどんな楽曲が入っていても、輸入盤的オルタナ感を出すことができると思います。
ここで選ばれていたのは、 Melt-Banana「Creeps In a White Cake」(2002、GSL Tecords)でした。
良い意味でも悪い意味でも驚きのない選曲で、驚かしてほしかったという気持ちもありました。

 

ROUGH TRADE SHOPS 25 YEARS(2001年、MUTE RECORDS)

ROUGH TRADE SHOPS 25 YEARS

4CD、55曲。

『Counter Culture』がはじまる前に、ラフ・トレード・ショップの25周年を記念したCD4枚組のボックスが2001年に出ました。
ライナーノーツは、Jon Savage。
店の25年を彩ってきた1975年から2001年までの曲が年代順に選ばれています。

個人的に懐かしいのは、Scritti Politti「The Sweetest Girl」(1982年)からRobert Wyatt「Shipbuilding」(1982年)と続くところです。
当時、輸入盤屋さんの新譜コーナーで「発見」し、Rough Tradeへの信頼を高めた2枚のシングル盤でした。
最初に買ったのは7インチ盤。12インチ盤もありました。
少女と少年の写真が違う「The Sweetest Girl」やスタンレー・スペンサーの作品を4パターン使った「Shipbuilding」のジャケ違いも集めました。


ラフ・トレード・ショップは、ジェフ・トラヴィス (Geoff Travis) によって1976年にロンドンのケンジントン・パーク・ロード(Kensington Park Road Ladbroke Grove)に創業されたレコード・ショップ。

理想としたモデルは、ローレンス・ファリンゲッティ(Lawrence Ferlinghetti、1919~2021)がつくった、サンフランスシスコの老舗書店シティライツ・ブックストトア(City Lights Bookstore)でした。

1978年にラフ・トレード・レコード(Rough Trade Records)創設、レーベルは DIY やパンク・シーンの中核的存在になります。

1982年、Pete Donne, Stephen Godfroy, Nigel Houseの3人が、レーベルに専念するジェフ・トラヴィスから店を買い取り、ロンドンのタルボット・ロード(Talbot Road)に移転、現在も「オルタナ」な音楽が見つかる場所であり続けています。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 03 best of 2003(2004年、MUTE RECORDS)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 03 best of 2003

2CD、45曲
Compiled by Simon, Sean, Jamie, Billy, Nigel, Pete, Ren and Manjeev
各曲に選曲したショップ・スタッフのコメント。
Nigelは、ショップの顔、ナイジェル・ハウス(Nigel House)。
プラスティック・ケースが、SACDに使われていた角のまるいものになります。

Davendra Banhart「Bluebird」や Sufjan Stevens「For The Windows In Paradise, For The Fatherless In Ypsilanti」が選曲されていて、あの頃かと思います。

日本がらみで選曲されていたのは、藤井貞和の詩をもとにした、Asa-Chang & 巡礼「つぎねぷと言ってみた」(2002年、ミュージックマインID)とMu「Let's Get Sick(edit)」(2003年、Output)。

今改めて聴いてAsa-Chang & 巡礼は、すばらしいグループだなと思います。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 04 best of 2004(2005年、MUTE RECORDS)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 04

2CD、49曲
This compiled by Billy, Chris, Jamie, Nigel, Renee, Sean and Simon.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Simon, Lamie, Ray, Billy, Sean, Postie, Rrray, Chris, Gregory, Renee, Simon(Draper), Simon(Day), Mak)のコメント。

日本がらみで選曲されていたのは、Mu「We Love Guys Named Luke」(2004年、Output)。推されていたようです。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 05(2006年、V2)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 05

2CD、50曲
The music on this handy compact disc was selected by Chris Summers, Jamie Tugwell, Manjeev Mukar, Nigel House, Pete Donne, Ren KereKere, Sean Forbes and Simon Russell.
The compiling was done by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフのコメント。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 06(2007年、V2)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 06

2CD、46曲
This CD was compiled by Chris, John, Manjeev, Nigel, Ren, Sean and Simon.
Project mismanaged for RT by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフのコメント。

Scritti Politti「The Boom Boom Bap」(2006年、Rough Trade)の年でした。

日本がらみで選曲されていたのは、
Alva Noto and Ryuichi Sakamoto「ax Mr. L」(2005年、Raster-Norton)
○○I○○「UMA」(2006年、Thrill Jockey Records)
Nagisa Yoko and Justin Simon「Zeni Zeni」(2005年、Mesh-Key)

The Rotters「Japanese Punk」(2006年、White Heat)という曲も選ばれていました。


Rob Young『ROUGH TRADE』(2006年、Black Dog Publishing)

Rob Young『ROUGH TRADE』

Rough Trade Shops 30周年で刊行されたショップとレーベルの歴史。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 1976(2007年、V2)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 1976

1CD、曲

Rough Trade Shops 30周年のときに出た、1976年開店当時に店でよく流れていた曲を集めた編集盤。

 

THE RECORD SHOP 30 Years of Rough Trade Shops(2007年、V2)

THE RECORD SHOP 30 Years of Rough Trade Shops

2CD、30名の著名人が選ぶ30曲
Project managed for Rough Trade Shops by Simon Russell.

みんながラフ・トレード・ショップの思い出を熱心に書いているのに、文字が小さく殺眼的で、もったいないです。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 07(2008年、COUNTER CULTURE RECORDS)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 07

2CD、41曲
Compiled by all the cats at RT.
Project managed / licensed / photos by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(John, Kyle, Spencer, Will, Phil, Manjeev, Simon, Sean, John, Delia, Noreen, Chris, Ren)のコメント。

Bon Iver「Flume」(2008年、4AD)
Fleet Foxes「White Winter Hymnal」(2008年、Bella Union)

日本がらみで選曲されていたのは、
Andrew Liles And Kenji Siratori(白鳥健次) 「VTR」(2006年、Beta-lactam Ring Records)
Comanechi「My Pussy」(2007年、White Heat)


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 08(2009年、V2)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 08

2CD、44曲
Cuts, as always, selected by the shopfloor cats.
Product managed by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Nigel, Spencer, Kyle, Sean, Noreen, John, Phil, Simon, Margot, Lucy, Paco, Chris, Ryan)のコメント。

Bon Iver「Flume」(2008年、4AD)と Fleet Foxes「White Winter Hymnal」(2008年、Bella Union)の年でした。

日本がらみで選曲されていたのは、Boris「LaserBeam」(2008年、Disk Union)

この後は『COUNTER CULTURE 14』(2015年)にKyoka「Lined Up」(2014年、raster-norton)が選曲されているぐらいで、日本からの輸入盤とは縁が薄くなったようです。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 09(2010年、Rough Trade / Cooperative Music)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 09

2CD、44曲
Production - Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Fishal, Margot, Kyle, Jof, Alex, Sean, Noreen, Lucy, Pete, Nigel, Will, Simon, Spencer, Phil, Patrick, John, Chris)のコメント。
プラスティック・ケースが通常のCDと同じものになっています。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTEFiR CULTURE 10(2011年、Rough Trade / Cooperative Music)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTEFiR CULTURE 10

2CD、44曲
RTCC10 is a selection of tracks released during 2010 that proved popular with customers and staff-alike.
Produced + artwork by Simon Russell
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Michael, Jof, Simon, Lucy, Spencer, Rob, Mikey, Nigel, Phil, Noreen, Marc, Simon, Will, Chris, Sean, Kyle, Ellis, Kelly)のコメント。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 11(2012年、Rough Trade / Cooperative Music)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 11

2CD、42曲
RTCC11 is a selection of tracks, newly released in Rough Trade Shops during 2011 that proved popular with customers and staff-alike.
CD produced / designed by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Will, Nigel, Pete, Sean, Phil, Simon, Kyle, Chris, Spencer, Michael, Lucy, Rob, Kelly, Marc, Gina, Cordelia, Ellis, Noreen)のコメント。

配列に悩んだのか、曲はアルファベット順。
基本的に初めて知る名前が多いコンピレーションですが、今回は、Brian Eno、Edwyn Collins、Moebius-Plank-Neumeier、Sam Precopなど知った名前もちらほら。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 12(2013年、Rough Trade / Cooperative Music)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 12

2CD、43曲
RTCC12 is a selection of artists that proved popular with customers and staff-alike during 2012.
CD produced / designed for Rough Trade Shops by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Nigel, Will, Cordelia, Lucy, Sean, Phil, Marc, Rob, Noreen, Spencer, Grazia, Chris, Ellis, Simon, Sid, Michael)のコメント。

Julia Holter「Goddess Eyes」(2012年、RVNG)の年でした。


ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 13(2014年、Rough Trade / [PIAS] Cooperative)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 13

2CD、41曲
RTCC13 is a selection of music, released over the last twelve months, that has proved popular with customers and stuff alike.
CD produced / designed for Rough Trade Shops by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Justin, Jesse, Noreen, Sean, Rob, Nigel, Milly, Crdelia, Chris, Phil, Marc, Michael, Sid)のコメント。

Juliana Barwick「One Half」(2013年、Dead Oceans)の年でした。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 14(2015年、Rough Trade / [PIAS] Cooperative)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 14

2CD、36曲
Counter Culture 14 is a selection of customer and staff favorites alongside our best sellers from last twelve months.
Produced / designed by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Pete, Nigel, John, Noreen, Chris, Sean, Marc, Cordelia, Jason, Sarah, Simon, Sid)のコメント。

 

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 15(2016年、Rough Trade / [PIAS] Cooperative)

ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 15

2CD、37曲
COUNTER CULTURE 15 is a selection of music that popular with our staff and custpmers in 2015.
CD produced for Rough Trade Shops by Simon Russell.
各曲に選曲したショップ・スタッフ(Terry, John, Nick, Abraham, Lana, Simon, Sean, Marc, Nigel, Ellis, Noreen, Amy, Chris, Rob, Sarah, Steve)のコメント

『COUNTER CULTURE 15』は、2002年から制作の中心だったサイモン・ラッセルが関わった最後の盤になります。

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436. 2025年早春(2025年3月18日)

 

2025年早春01

 

歩いていると、あちらこちらで春の訪れを感じます。

秋朱之介(西谷操、1903~1997)は、堀口大學(1892~1981)からもらった黄色い花瓶にミモザの花を生けたりしていたそうです。

『書窓』第二巻・第一号(1935年10月10日発行、アオイ書房)で行われた「装幀についての諸家意向」というアンケートの「御著の装本についての色の御好み」という問いに、 堀口大學は「白。黄色。」と答え、秋朱之介は「白、みどり、黄。」と答えていました。

色の好みも師匠ゆずりです。


2025年早春02

2025年早春03

2025年早春04

2025年早春05

2025年早春06

2025年早春07

2025年早春09

2025年早春08

 

春風駘蕩というには、まだ肌寒いです。

 

〉〉〉今日の音楽〈〈〈

ここ20年ほど、毎年の恒例の行事のように感じていた『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE』が、今年は出る気配がありません。
これから出る予定があるのでしょうか。

ロンドンのレコードショップ「ラフ・トレード・ショップ (Rough Trade Shop)」は、オルタナティブ・アンダーグラウンドな音楽の牽引車的役割を果たしてきました。『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE』は、その店のカウンターでその年によくかかった曲を集めたという体裁で、CD2枚組に約50曲を収めた編集盤です。

『Rough Trade Shops Counter Culture 2002』(2003年)から『Rough Trade Shops Counter Culture 23』(2024年)まで毎年出ていたのですが、『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 2024』がリリースされる様子がありません。

世の中、サブスクのプレイリストの時代ですから、こうした編集盤CDの役割はとうに終わっているのかもしれませんが、見取り図として重宝してきたシリーズなので、終わるのは、残念です。

 

写真は、そのシリーズの番外編で、ラフ・トレード・ショップが開店した1976年に、店でよくかかっていた曲を集めた編集盤です。

 

ROUGH TRADE COUNTER CULTURE 1976

▲『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 1976』(2007年、V2 / Rough Trade)

「PROJECT MANAGED FOT ROUGH TRADE BY SIMON RUSSELL」とあるので、サイモン・ラッセルを中心に選曲されたのでしょう。
サイモン・ラッセルは、最初の『Counter Culture 2002』の選曲者で、企画を立てた人だったのでしょう。2015年まで『COUNTER CUTURE』制作の中心だった人です。ラフトレード・ショップのスタッフが選曲するラジオ番組「Rough Trade Shops' Counter Culture Radio」も担当していました。

『COUNTER CULTURE 1976』に収録されているのは次の22曲。( )はレコードレーベル。

101ers「Keys To Your Heart」(Ace / Chiswick Records) パブ・ロック ジョー・ストラマーのデビュー
Blondie「X-Offender」(Private Stock) インディーズ時代 ノーウェーヴ・ポップ
Nick Lowe「So It Goes」(Stiff) Stiffのカタログナンバー「BUY 1」
The Damned「New Rose」(Stiff)ニック・ロウのプロデュース。カタログナンバー「BUY 6」 ロンドン・パンク
The Saints「(I'm) Stranded」(Power Exchange) ガレージ・ロック
Dennis Brown「Wolf And Leopard」(Observer) レゲエ ジャマイカ輸入盤
Kate & Anna McGarrigle「Come A Long Way」(Warners) 60年代フォークの系譜
Patti Smith Group「Pissing In A River」(Arista) クイーン・オブ・パンク
Penguin Café Orchestra「Hugebaby」(Obscure Island / Virgin EG) アヴァンギャルトとアート・ロックの系譜
Bootsy Collins「Stretchin' Out (In A Rubber Band)」(WEA)ファンク ディスコ
Ivor Cutler「Bicarbonate Of Chicken」(Virgin)アルバム『Jammy Smears』A面1曲目、アヴァンギャルトとアート・ロックの系譜
The Upsetters「Croaking Lizard」(Island)リー・ペリーのレゲエ
Art & Language And The Red Crayola「An Harangue」(Funded by Music Language / Art & Language, Art & language Foundation Inc., Change Inc.) 現代アートとアヴァンギャルド
Flamin' Groovies「Teenage Confindential」(Sire) 60年代サイケの系譜
The Slickee Boys「Psycho Daises」(Dacoit) DIYの西海岸ロック
Radio Birdman「Burn My Eye」(Trafalgar) ガレージ・ロック
Ramones「Blitzkrieg Bop」(Sire) ニューヨーク・パンク
Aswad「Back To Africa」(Island) イギリスのレゲエ
The Residents「Satisfaction」(Cryptic Corporation) 実験音楽
Candi Staton「Young Hearts Run Free」(WEA) サザンソウル ディスコ
Tom Waits「Step Right Up」(Elektra / Asylum) オルタナティヴなシンガーソングライター
Yabby You「Conquering Dub」(Prophets) ルーツ・レゲエ ジャマイカ輸入盤

 

「プログレ」や「ヘヴィーメタル」はありませんが、パンクの登場だけでない、雑多で何かが起こりそうな勢いが感じられる選曲です。

パティ・スミスとペンギン・カフェ・オーケストラとブーチィー・コリンズが並んでいるのが、らしいというか、1976年のラフ・トレード・ショップだったのでしょう。

開店当初の「ラフ・トレード・ショップ 」の売りは、ジャマイカのDENNIS BROWN やYABBY YOUなどの7インチ輸入盤で、それらとThe Residentsのような前衛的な音楽や、はじまったばかりのパンク勢などが混じり合うことで、新しい波が起こる場所になったようです。

 

1976年ごろの自分を振り返ると、情報源はラジオや立ち読みする音楽雑誌ぐらいで、これらの音楽はほとんど届いていませんでした。
今は「プログレ」といいますが、「プログレッシブ・ロック」は好きでした。
1976年でも、「プログレッシブ・ロック」は終わったものを後追いで聴いているという感じがありました。
「プログレッシブ・ロック」は1974年のクリムゾンの『レッド』収録の「Starless」で終わりを迎えた、という歴史観というか感覚を持っていました。
誰の影響だったのでしょう。

当時は、VIRGINレーベルに対する信仰のようなものも持っていました。
『ROUGH TRADE SHOPS COUNTER CULTURE 1976』は、ヴァージン系のV2からリリースされていますが、当時のVirginレーベルから選ばれたのがIvor Cutlerだけというのも、ラフ・トレードらしいです。

 

この1976年のカウンター・カルチャー、今聴いてもわくわくするのですが、もう50年前ということに、驚くばかりです。

 

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