swallow-dale logo

[home] | [SWALLOW-DALE] | [my favorite things] | [平田信芳文庫] | [profile] | [mail]


スワロウデイル

 編集工房SWALLOW-DALEのアーカイヴ準備室です。ときどき更新します。

平田信芳文庫

 平田信芳(1930年9月15日 - 2014年2月15日)の思い出に、
「平田信芳文庫」を開設しました。(2014年10月28日)

 

SWALLOW-DALE

 不定期刊小冊子『SWALLOW-DALE』をPDFで公開していく予定です。おもに鹿児島についてのテキストになります。忘れられている、忘れ去られている話題を取り上げていく予定です。時代遅れというか、時代とずれた話が続く予定です。

【2019年1月25日】『SWALLOW-DALE』別冊のPDFを公開しました。

 

my favorite things

 しばらく「20世紀書店」が続きます。ほかの世紀にもお邪魔します。

 

269. 1928年の『ザ・バーリントン・マガジン』4月号(2019年4月7日)

『Burlington Magazine(バーリントン・マガジン)』の1928年4月号

 

1字の漢字の読み方をめぐって、論争が起こったというお話です。

発端は、1903年に創刊され現在も刊行されているイギリスの美術専門誌『The Burlington Magazine(バーリントン・マガジン)』の、1928年4月号に掲載された、アーサー・ウェイリー(Arthur Waley、1889~1966。当時は大英博物館勤務)の1ページほどの短いエッセイ「Shiba Kōkan and Harushige Not Identical(司馬江漢と春重は同一人物ではない)」です。

その論旨に対して、第253回「1981年の『浮世絵志』復刻版」(2019年1月21日)で紹介した、昭和4年(1929)8月1日発行の『浮世絵志』(芸艸堂)第八号に、野中退蔵(1895~1986)が「ウェレー氏の司馬江漢論に就いて」を掲載し、司馬江漢と春重は同一人物だと反論しています。

『The Burlington Magazine』でも、『浮世絵志』と同じ1929年8月号に、ボストン博物館のTomita Kojiro(富田幸次郎、1890~1976)が「Shiba Kōkan and Harushige Identical(司馬江漢と春重は同一人物である)」を寄稿して、アーサー・ウェイリーの「司馬江漢は春重ではない」説に反論しています。その反論にアーサー・ウェイリーがコメントを寄せる形で、誌面上の論争は一応終結しています。

富田幸次郎と野中退蔵は、ともにアメリカのハーヴァード大学でラングドン・ウォーナー(Langdon Warner、1881~1955)に学んだ人です。そういう系譜もあるのだなと思いました。

アーサー・ウェイリーのエッセイ発表から1年以上経っているので、ゆっくりした論争ですが、1929年8月に時期を合わせたかのように日本とアメリカから反論を出しているのが、不思議な感じです。