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スワロウデイル

 編集工房SWALLOW-DALEのアーカイヴ準備室です。ときどき更新します。

平田信芳文庫

 平田信芳(1930年9月15日 - 2014年2月15日)の思い出に、
「平田信芳文庫」を開設しました。(2014年10月28日)

 

SWALLOW-DALE

 不定期刊小冊子『SWALLOW-DALE』をPDFで公開していく予定です。おもに鹿児島についてのテキストになります。忘れられている、忘れ去られている話題を取り上げていく予定です。時代遅れというか、時代とずれた話が続く予定です。

【2019年11月20日】児玉達雄さん(1929~2018)の一周忌に、『SWALLOW-DALE 07 北と南 村 次郎と児玉達雄』を準備中です。

 

my favorite things

 しばらく「20世紀書店」が続きます。ほかの世紀にもお邪魔します。

 

303. 1976年の別役実『虫づくし』(2020年3月15日)

1976年の別役実『虫づくし』表紙


3月3日に別役実さんが亡くなったというニュースがありました。1937~2020。
本棚から別役実さんの本を引っ張り出して、その「ぼくのおじさん」的な語りをしのんでいます。

多くの人にとって、「劇作家・別役実」だったのでしょうが、わたしの本棚に並んでいるのは「ものづくし」シリーズなどの随筆に偏っていて、わたしにとって別役実は、なにより「随筆家」です。それも「人を食った」随筆家です。
本の内容は、読んだ先から忘れてしまっているのですが、その語り口ゆえに、お話をねだるように新刊が出るのを楽しみにしていました。
別役実も、天沢退二郎、児玉達雄と同様、満州育ち。個人的に、1945年から1946年を満州で過ごした子どもだった書き手に魅かれるという面もあったのかなと思います。

最初は『虫づくし』でした。
本が先ではなく、NHK-FMの『ふたりの部屋』という番組で放送された、常田富士男(1937~2018)が朗読する『虫づくし』全10回(1979年)が毎晩楽しみでした。
それがきっかけで本を探しました。『虫づくし』は、なかなか見つからない本だった記憶があります。

『ふたりの部屋』では、別役実の『道具づくし』(1984年、大和書房)をもとにした『別役実の道具箱』も放送されましたが、朗読はすまけい(1935~2013)で、その語りは、話を嘘と知りながら、もっともらしく語るスタイルだとしたら、『虫づくし』の常田富士男は、話の真偽はさだかでなく、もしかしたら本当かもしれないと感じさせる語り口で、常田富士男の朴訥な語りが好みでした。

1980年には、『虫づくし』をもとにした朗読劇『日本昆虫学会特別講演』が上演されていて、中村伸郎(1908~1991)が演じています。
どんな語りだったのでしょう。これは見て聴いてみたかったです。

写真の右側は、『虫づくし』1976年の初版、左側は1982年の第8刷。
第8刷が出ているということは、相当売れたということなのでしょう。今思うと、どうして見つけにくい本だったのか、不思議です。
表紙カバーは両方とも日焼けしているということもありますが、かなり色味が違います。