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スワロウデイル

 編集工房SWALLOW-DALEのアーカイヴ準備室です。ときどき更新します。

平田信芳文庫

 平田信芳(1930年9月15日 - 2014年2月15日)の思い出に、
「平田信芳文庫」を開設しました。(2014年10月28日)

 

SWALLOW-DALE

 不定期刊小冊子『SWALLOW-DALE』をPDFで公開していく予定です。おもに鹿児島についてのテキストになります。忘れられている、忘れ去られている話題を取り上げていく予定です。時代遅れというか、時代とずれた話が続く予定です。

【2017年12月14日】『SWALLOW-DALE 05』として『平田信芳選集II 石碑夜話』のPDFを公開しました。

 

my favorite things

 しばらく「20世紀書店」が続きます。ほかの世紀にもお邪魔します。

 

250. 1986年の『Rē Records Quarterly Vol. 1 No. 3』予約購読者へのおまけ(2018年12月5日)

1986年の『Rē Records Quarterly Vol. 1 No. 3』予約購読者へのおまけ

 

第205回(2017年6月27日)で「Vol. 1 No. 1」のおまけを紹介した、ミュージシャンのクリス・カトラー(Chris Cutler)が編集・発行していた音楽誌『Rē Records Quarterly』(1985年~1991年)の、「Vol. 1 No. 3」予約購入者への特典(extra item)の図版です。
それを手にすることのできた幸運な予約購入者ではなかったので、当時はその特典の内容を知ることができませんでした。

予約購入者特典ありの記述だけをたよりに、その内容は分からないままWEB通販で中古品を購入したのですが、第3号のおまけは、ピーター・ブレグヴァド(Peter Blegvad)の手になる未知の図版でした。
こうしためっけもんは、うれしいかぎりです。

この幾何学的形態群は、 『Rē Records Quarterly』第2号に掲載された、ブレグヴァドの作品「On Numinous Objects and Their Manufacture (Part One of a Potentially Endless work)」(「精霊が宿る物とその制作(終わることのない仕事・その第1部)」)を補足する図版でした。
「Vol. 1 No. 3」のおまけ図版は「Numinous Objects(精霊が宿る物)」の図録の一部になるもので、これらの幾何学的形態に、ほんとうに「精霊」が宿るかどうか分かりませんが、それを想定した図版、ということのようです。

1970年代後半から、ブレグヴァドの音楽・絵画・文章すべての作品で、発想源となっていたと思われる言葉に「Numinous」「Numinosity」という言葉がありました。当時使っていた英和中辞典には掲載されていなかった言葉で、何のことかと具体像を結ぶことができなかった言葉でした。

もとは、ラテン語のNumen(ヌーメン)から生まれたことばで、Numen(ヌーメン)は、木や石などの「もの」に宿る神聖なもの、精霊のことを意味します。その形容詞が「Numinous」で、その名詞形が「Numinosity」や「Numinousness」になります。

ブレグヴァドは、単なる物を作品たらしめるもの、ただの物を内から輝かせるものの存在を前提として、では、どういう形であれば、そうした精霊的なものが宿るのかと、怪しさを自覚しつつ、半分笑いながらも生真面目に、綺想をまじえつつ考察を続けて、それを音楽・絵画・コミック・文章などに、いろんな形で落とし込んでいます。

とりあえず「精霊」という訳語をつけてみましたが、こなれた訳語ではありません。唯一神的な、人の形とむすびつきやすい「神」ではなく、日本での木や石などの「依り代」につく「御霊(みたま)」や「事霊・言霊(ことだま)」に近いものと、解釈できないこともありません。