■スワロウデイル
編集工房SWALLOW-DALEのアーカイヴ準備室です。ときどき更新します。
●平田信芳文庫
平田信芳(1930年9月15日 - 2014年2月15日)の思い出に、
「平田信芳文庫」を開設しました。(2014年10月28日)
●SWALLOW-DALE
不定期刊小冊子『SWALLOW-DALE』をPDFで公開していく予定です。おもに鹿児島についてのテキストになります。忘れられている、忘れ去られている話題を取り上げていく予定です。時代遅れというか、時代とずれた話が続く予定です。
●my favorite things
しばらく「20世紀書店」が続きます。ほかの世紀にもお邪魔します。
446. 1931年の秋朱之介宛て日夏耿之介のはがき(2025年11月10日)

昭和6年(1931)10月、日夏耿之介(1890~1971)から秌朱之介(西谷操、1903~1997)宛てに送られたはがきです。
このころは「秋」ではなく、「秌」の字を使っていました。
横溝正史(1902~1981)が『悪魔が来りて笛を吹く』(1954)で主要人物「椿秌子」に使った字です。
少し前、日本の古本屋サイトをのぞいたら、日夏耿之介と田中冬二の秋朱之介(西谷操)宛てはがきが出ていました。
うーん、と考えました。昭和6年のはがきということが気になります。
すぐには手を出しませんでしたが、しばらくたっても売れている様子がありません。
余裕があるわけではないけれど、好奇心には勝てず、仕方ないなあと自分に言い訳しながら、入手。
これらのはがきは、秋朱之介が晩年、手持ちの書籍や資料を横浜の古書店に出したときのものが、また古書店に出てきたのではないかと思われます。
佐藤春夫研究家の牛山百合子さんが、佐藤春夫の秋朱之介宛て書簡を見出したのも横浜の古書店からだったのではないでしょうか。
このとき古書店に出された書簡類がまとまって残されていればと思わずにはいられません。
